■７番人気・１着■　血統馬や好調教馬が揃い、11頭立てながらメンバーレベルが高かったメイクデビュー戦。７番人気ながら素晴らしいパフォーマンスを披露し初陣を飾った。武豊騎手鞍上の高額取引馬サンダーバード、横山武騎手を配し万全の仕上がりを見せていたレッドスティンガー、ディマイザキッドの全弟でキング騎手騎乗のビョウブガウラなどブランド力ある馬に人気が集まり、２年目の橋木騎手騎乗のポペットは７番人気に甘んじていたが、好時計をマークした追い切り同様にレースでも高いポテンシャルを発揮し快勝した。スタートでやや後手を踏み道中は馬群の後方をリズム重視で追走する。終始素晴らしい手応えで中団後方を追走すると、４コーナーで前の馬群を捌いて勢いよく直線に向き残り200ｍから一気の末脚で突き抜け、後続に３馬身差を付ける快勝であった。416キロと小柄な馬体ながら芝追い切りでも外を回って好時計を連発し、レースでも折り合いが付き馬群を捌ける操縦性の高さ、他馬を圧倒した上り３Ｆの時計と文句のないデビュー勝ちであった。道中緩みない流れでもラスト11.8-11.3-11.3秒と速く、ラストもまだ余力も感じられた。次走は札幌２歳Ｓが予定されており、距離延長とはなるが今回の走りが出来れば好勝負に期待できそうた。ブランド力ある他馬や鞍上に、２年目橋木騎手が挑む重賞初騎乗の舞台に注目してみたい。

■２番人気・２着■　アーモンドアイの２番仔・プロメサアルムンドが初陣を飾り圧倒的人気に応えたが、クビ差惜敗のバドリナートは互角以上のパフォーマンスを見せ、次走で初勝利に期待できる馬として取り上げる。好スタートからリズム重視の走りで５番手インに下げて先行集団を見る位置を追走。手応え良く直線に向き気合を付けられたが、瞬時の加速は見られず外から一気に勝ち馬に交わされてしまった。残り200ｍから鞍上の懸命な叱咤に内に刺さりながらも末脚を伸ばし、ゴール前は勝ち馬とのマッチレースに持ち込んだ。クビ差及ばずの惜敗に終わったが、３着以降は４馬身差を付けており舞台適正の差で僅かに及ばなかった印象であった。道中緩んだ流れでラスト11.3-11.3-11.2秒の瞬発力勝負になり、瞬時の加速力で勝ち馬に劣ってしまったが、ゴール前の末脚を含めてパフォーマンスは互角以上の評価を与えて良い内容であった。追い切りでは長めから持続力ある走りで好時計をマークしており、デビュー戦の走りからも軽い瞬発力勝負よりも総合力を問われるハイレベル戦で本領を発揮しそうだ。新潟マイルは不向きな印象があり次走舞台替わりで、さらにパフォーマンスを上げて初勝利の期待は大きい。新種牡馬コントレイル産駒のなかでも上位のポテンシャルを持っており、先々まで注目を続けていきたい１頭である。

■２番人気・２着■　重賞実績でリードしていたアルジーヌには及ばなかったが、北海道の滞在競馬でこの馬本来の実力を発揮し頭差の２着に好走した。デビューからポテンシャルの高さを感じさせる走りを見せていたが、輸送に弱くレース前のイレ込みで消耗してしまうケースが目立ち、馬体重の維持が非常に難しいタイプである。またその気性から道中の折り合いにも課題があり、オープン昇格までに時間を要してしまったが、前走の３勝クラスを圧勝し漸くオープンに昇格し、３歳秋のローズＳ以来の重賞挑戦となっていた。今回は実機十分の滞在競馬で馬体重を20キロ増やし、中間も落ち着き十分の追い切り過程で２番人気に推された。レースでは序盤から折り合い重視で後方を追走し、速い流れも味方してリズム良く追走。３コーナー過ぎでもまだ先団と大きく離れた位置であったが、鞍上は急がず騒がず馬なりで進路を探っていた。直線に向いて最内に突っ込むと前に壁ができ追い出しを我慢せざるを得なかったが、残り100ｍを切って進路を確保すると先に抜け出していたアルジーヌを猛追。ゴール前アルジーヌが気性の悪さを見せて止まったこともあるが、一気の脚で頭差まで追い詰めたキレは素晴らしいものであった。滞在競馬のプラス要素が大きく、展開にも恵まれたが本来の力を発揮すれば重賞でも十分通用するポテンシャルを示している。輸送競馬で再度本来の走りを見せれるかは課題となるが、馬体重の維持と当日の落ち着き次第では重賞制覇にも十分に期待できそうだ。今後の動向に注目していきたい。